【保温工事の基礎知識】配管・ダクト保温で解決できる問題と効果を徹底解説
保温工事とは?基本的な目的と種類
保温工事とは、配管やダクト、タンクなどの設備にグラスウールやロックウールといった保温材を取り付け、熱の放散や侵入を防ぐ工事です。身近な例えでいうと、魔法瓶のように中の温度を保つ役割を果たします。
保温工事は大きく分けて以下の種類があります:
①保温工事(保温)
常温より高い温度の流体(熱水・蒸気など)が流れる配管・設備から熱が逃げるのを防ぐための工事です。工場のボイラー配管や暖房用配管などに適用されます。
②保冷工事(保冷)
常温より低い温度の流体(冷水・冷媒など)が流れる配管・設備に熱が入るのを防ぐための工事です。エアコンの冷媒配管や冷蔵・冷凍施設の配管などに適用されます。
③保温板金工事(ラッキング)
保温材を施工した後、その上からステンレスやアルミ、カラー鉄板などの板金で保護するための工事です。雨風や紫外線から保温材を守り、耐久性を高めます。
④熱絶縁工事
保温工事・保冷工事の正式名称で、建設業許可の名称や官公庁の工事でよく使用されます。冷暖房設備、冷凍冷蔵設備、動力設備などの熱絶縁を行う工事全般を指します。
保温工事で使用される主な保温材
保温工事で使用される主な保温材には以下のようなものがあります:
・比較的安価
・耐熱温度は約200℃
・耐水性・耐火性がやや劣る
・住宅の壁や天井の断熱材
・中低温域の配管
・耐熱温度が高い(約600℃)
・防火性能に優れる
・工場のボイラー配管
・防火区画
・断熱性能が高い
・耐熱温度が低い
・加工しやすい
・冷蔵・冷凍設備
・低温域での保冷用途
用途や環境に応じて、適切な保温材を選択することが重要です。例えば、高温の蒸気配管にはロックウールが適していますし、冷媒配管には発泡スチロールなどの保冷材が適しています。私たち水野工業では、お客様の設備の用途や環境に最適な保温材をご提案しています。
配管・ダクト保温工事で解決できる問題
①結露対策
結露は、温度差によって空気中の水分が配管表面に水滴として付着する現象です。特に冷水配管や冷媒配管では、表面温度が空気の露点温度よりも低くなると結露が発生します。
結露が発生すると、以下のような問題が起こります:
- 壁や天井にシミやカビが発生
- 配管の腐食による寿命短縮
- 天井からの水漏れ
- 周辺設備の故障
保温工事を施すことで、配管表面の温度が周囲環境の露点温度を下回ることを防ぎ、結露の発生を抑制できます。
②凍結防止
冬季の気温が低下すると、屋外や非暖房空間の配管内の水が凍結するリスクがあります。配管が凍結すると、氷の膨張によって配管が破裂する可能性があり、水漏れや断水などの深刻なトラブルにつながります。
保温工事によって配管を適切に保護することで、以下のメリットがあります:
配管内の水の凍結を防止
配管破裂による水漏れリスクの低減
断水トラブルの予防
修理費用の削減
特に愛知県、三重県、岐阜県の東海地方でも、冬季には氷点下になることがあるため、屋外配管の凍結対策は重要です。
③カビ・腐食防止
結露が発生すると、湿気の多い環境が生まれ、カビの発生や配管の腐食の原因となります。カビは健康被害を引き起こす可能性があり、腐食は設備の寿命を短くします。
保温工事によるカビ・腐食防止効果:
結露の発生を抑えることで湿度の高い環境を防止
カビの発生リスクを低減
配管やダクトの腐食を防止
設備の長寿命化
メンテナンスコストの削減
④熱傷防止・安全対策
工場やボイラー室などでは、高温の配管に触れて火傷をするリスクがあります。保温工事は、このような安全上の問題も解決します。
高温配管の表面温度を下げる
触れても火傷しにくい環境を作る
作業者の安全確保
労働災害リスクの低減
保温工事がもたらす効果と経済的メリット
①省エネルギー効果
保温工事の最も大きなメリットの一つが、省エネルギー効果です。適切な保温を施すことで、熱の損失や侵入を防ぎ、エネルギー消費を削減できます。
これらの省エネ効果は、光熱費の削減という直接的な経済メリットにつながります。特に工場やビルなど、エネルギー消費の大きい施設では、保温工事による投資回収も比較的短期間で可能です。
②設備の長寿命化
適切な保温工事は、設備の寿命を延ばす効果もあります。結露や腐食を防ぐことで、配管やダクトの交換頻度を減らし、長期的なコスト削減につながります。
腐食による設備の劣化を防止
配管やダクトの寿命を通常の1.5〜2倍に延長可能
修理・交換頻度の低減によるコスト削減
設備トラブルによる操業停止リスクの低減
③快適な環境の実現
オフィスやマンション、商業施設などでは、保温工事によって室内環境の快適性が向上します。
配管からの熱放散による不快な温度ムラの解消
空調効率の向上による快適な室温維持
結露によるカビの発生防止で健康的な環境を実現
騒音の低減(特に流体が高速で流れる配管の場合)
④環境貢献とSDGs
保温工事はエネルギー消費の削減を通じて、CO2排出量の削減にも貢献します。これは、SDGs(持続可能な開発目標)の達成にも寄与します。
エネルギー消費削減によるCO2排出量の低減
SDGs目標7「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」への貢献
SDGs目標13「気候変動に具体的な対策を」への貢献
2025年の省エネ法改正に向けた対応策としても有効
保温工事の施工プロセス
保温工事は、以下のようなプロセスで進められます。各ステップできめ細かく対応することで、高品質な保温効果を実現します。
①現場調査・ヒアリング
まず最初に、お客様の抱える問題点や要望をヒアリングし、現場の状況を確認します。保温対象となる配管やダクトの種類、使用環境、温度条件などを詳細に調査します。
配管・ダクトの種類や口径の確認
使用環境(屋内/屋外、温度、湿度など)の確認
既存の問題点(結露、熱損失など)の把握
お客様の要望や予算の確認
②最適な保温材の選定と施工計画
現場調査の結果をもとに、最適な保温材を選定し、施工計画を立てます。配管の用途や環境に応じて、適切な保温材の種類や厚さを決定します。
配管・ダクトの用途に合わせた保温材の選定
必要な保温厚さの計算
保温材の調達
工程表の作成
③保温材の施工
計画に基づいて、保温材を配管やダクトに取り付けます。直管部分、エルボ(曲がり部分)、バルブ、フランジなど、それぞれの形状に合わせて丁寧に施工します。
配管・ダクト表面の清掃
保温材のカット・加工
保温材の取り付け
継ぎ目の処理
④仕上げ工事(ラッキング)
必要に応じて、保温材の上からカバー材(ステンレス、アルミ、カラー鉄板など)を取り付けます。特に屋外や湿気の多い環境では、保温材を保護するためのラッキング工事が重要です。
カバー材の選定
カバー材のカット・加工
カバー材の取り付け
継ぎ目のシーリング処理
⑤品質検査と引き渡し
施工完了後、品質検査を行い、問題がなければお客様に引き渡します。また、保温材の効果や耐久性を維持するための注意点やメンテナンス方法についてもご説明します。
施工品質の確認
保温効果の確認
お客様への説明
アフターフォローのご案内
保温工事の選び方と業者選定のポイント
保温工事を依頼する際は、信頼できる業者を選ぶことが重要です。以下のポイントを参考に、適切な業者を選定してください。
①実績と経験
保温工事は専門的な技術と経験が必要です。実績豊富な業者を選ぶことで、高品質な施工が期待できます。
施工実績の確認(特に同業種・同規模の施設での実績)
会社の創業年数や業界での経験
過去の施工事例やビフォーアフター写真の確認
②保有資格や技術力
熱絶縁施工技能士などの資格を持つスタッフが在籍しているかどうかも、重要なチェックポイントです。
熱絶縁施工技能士の資格保有者の在籍
その他の関連資格(建設業許可など)
最新の施工技術や保温材に関する知識
③丁寧な現場調査と提案力
現場の状況を詳細に調査し、最適な保温工事を提案できる業者かどうかも重要です。
事前調査の丁寧さ
問題点や課題の的確な把握
お客様のニーズに合わせた提案内容
コスト面と効果のバランスを考慮した提案
④アフターサポート体制
保温工事後のサポート体制も、業者選定の重要なポイントです。
保証内容や期間
定期点検サービスの有無
トラブル時の対応力
メンテナンスのしやすさ
保温工事の定期メンテナンスの重要性
保温工事は一度施工して終わりではありません。効果を長期間維持するためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。
①メンテナンスが必要な理由
保温材の経年劣化による保温効果の低下
保温材のひび割れや剥がれによる結露発生リスク
ラッキング(カバー材)の腐食や損傷
配管やダクトの設備更新に伴う保温工事の修正
②推奨されるメンテナンス頻度
・継ぎ目部分の状態
・結露の発生有無
・シーリング部分の劣化
・雨水の侵入有無
・表面温度の変化
・設備の安全性
・保温材の湿潤状態
・カビの発生有無
まとめ:保温工事で快適・安全・省エネを実現
保温工事は、単なる設備工事ではなく、様々な問題を解決し、多くのメリットをもたらす重要な工事です。結露対策、凍結防止、省エネルギー、設備の長寿命化など、多くの効果が期待できます。
特に2025年の省エネ法改正を見据え、企業や施設管理者の皆様は、エネルギー使用の効率化と環境負荷の低減が求められています。保温工事は、そのための有効な対策の一つです。
弊社、有限会社水野工業では、愛知県を中心に東海三県で、配管保温工事やダクト保温工事を承っております。熟練した技術者が、お客様の設備状況やニーズに合わせた最適な保温工事をご提案いたします。
結露トラブルや省エネ対策でお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。現地調査・お見積りは無料で承っております。
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